+++++ 読んだ本の記録 +++++

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

博士の愛した数式』『ブラフマンの埋葬』を
先に 読んでいたので
気楽に ふんふん 読み始めたのだけれど
タイトルの 感じからも 匂ってくるように
その2つとは 違って 少しオカルトでキツい内容。
この人の 頭の中に こんな物語も あるんだ、と 驚く。
前述の 2作は 人間のどろどろしたところや 血なまぐさいところを
意識して 避けているような 印象が あったので。


「潰れた胎児の頭みたい」という表現が あったのだけれど
こういう表現に 出会ったときに 私は 立ち止まってしまう。
それを 比喩で 使うには 強すぎるし
「みたい」というからには 読む方も 想像しようとするんだけれど
想像するのを 頭のどこかで 拒否してしまう。
そういうものを 比喩の表現として使う作者に対して
少し 抵抗と距離を 感じる。うぬうぬ。