湯婆がベルを鳴らす。

昨日 チャイムが 鳴ったので
インターホンに 近付くと
そこに 湯婆が いた。

カメラが 付いていることを知らない
セールスのおばちゃんが
インターホンに ぐぐぐいっと 近付いて 話すので
魚眼レンズのように 鼻や目が 映って
今にも 魔法が 使えそうになっていた。

来客中なので すみません、と 早口で 言って
早々に インターホンを 切る。

その、来客であった母が
わたしも 気をつけよー、と 言いながら 帰っていった。