赤い梅白い梅。


トルコを諦めて 都巡りの旅に出る。


1日目 京都。


10年前に ほんの少し 暮らした街。
歩けば 数分で 渡月橋に 出る場所で
夏には アパートから
五山の送り火の 鳥居が 見えた。


京都は 季節が色濃くて
思い出と 同時に 季節が匂う。


毎日 通った 駅までの 道を
歩きながら
懐かしい、と 言うわけでもなく
だけど 景色は 少し 遠い感じで
自分たちだけ ちょっと 浮いているような
ブレているような
不思議な 気持ちになる。


あの頃の 自分たちが
今も あのアパートに居て
毎日を この場所で 過ごしているような
そんな 気持ちにもなる。


行き当たりばったりで
周りに 心配を かけて
だけど とにかく ひたむきだった。
あの日から
ここに 道が 繋がっていたことを 思う。


梅の花が 香る。
感傷的な 気持ちを 笑う。